わたしの属するインターネットの業界では、これから『セルフプロデュース』がひじょうに大事になると言われて久しい。
実際に、それが上手な事業家は活躍したり、生き残っている確率が高いです。もっとも、それは虚名ではなく、実力が伴っていることが条件ですが。
先日も、あるIT系サービス業で上場している会社の社長と、飲みの席で少しお話する機会がありましたが、彼がいま自分のスキルでもっとも磨かないといけないと考えているのは、なんと「しゃべり」だそうです。
ふつうに人と接したり、話したりするだけでは、インパクトが薄い。だから、印象に残るようなしゃべりが必要で、それが仕事につながっていく。たぶん、そんなふうに考えてのことだろうと想像します。自分をいろんな機会に売り込みたいわけですね。
営業のノウハウでも、「商品を売る前に自分を売る」というのがあります。よく勉強しているピアノ調律師さんなら、ご存知かもしれません。要するに、信頼関係を結んだあとなら、商品を売ったり営業することが楽になる。ここを強調すれば、それはセルフプロデュースの考え方にもつながります。
そういえば、お菓子や野菜にも、いつの間にか開発者や生産者の顔やプロフィールが載る時代になってしまいました。『川越達也プロディースのキムチ』とかいうのを、この間もスーパーでみかけてつい買っちゃいました。この方、イタリアンシェフで、テレビや雑誌で大人気だそうです。
それから、よくうちの事務所のポストに入ってくるスポーツジムの折り込みチラシにも、スタッフ全員の顔写真とメッセージがあって、ここは『アットホームな場所だよ〜』ってメッセージが伝わってくる。こういう顔写真とメッセージ入りのチラシが、最近多いですよね。
みんな、みんな、いっしょけんめい、自分を売り込んでます。
かたや、ピアノ調律師は・・・
『ピアニストの黒子でいい』とか、自分を業界の某かの逸材と勘違いしているKY(空気が読めない)ピアノ教師にほとんど隷属していたり。。。
これって、なんかほとんど30年以上前の世界と発想ですよね。
完全に時代に乗り遅れているとしかいいようがありません。
まぁ、50代、60代以降の男性調律師がそうなるのは致し方ないとしても、30代、40代の若手でも、自分が前にでてくるような、いかにもセルフプロデュースに力入れてますみたいな人が、ほとんどいないようにおもう。とても保守的だとおもいます。
それに、女性調律師には未来の可能性がとてもあるとおもっているのですが、グイグイ前にでてくる元気のいい女性調律師って、ほとんどゼロじゃないでしょうか。チャンスなのに、とても残念な気がします。
いや、そう言い切ってしまうのは、わたしが軽率なのかもしれない。
きっとみなさん、現場ではいっしょうけんめい自分を売り込んでいるのでしょう。きっとそうに違いありません。営業上手な調律師さんって、いますもんね。現場以外には、見えないだけで。
ただ、それは、いわゆるセルフプロデュースといえるものになっているでしょうか。それから、その現場での自分の売り込みを補完する、あるいはより効果的に推し進めるウェブでの戦略が、きちんと準備されているでしょうか。
のんびりかまえて、他の調律師がやってないから自分もやらなくてだいじょうぶ、といった調子では、あまりにも悠長すぎます。
逆です。
他の調律師がやらないから、自分はやる。
こうならないと、自分を売り込むことや、セルフプロデュースには向かっていけません。
まず、発想を変えないと、今より前にはすすめないでしょう。
ピアノ調律師がおもうほど、そうかんたんに商品やサービスは売れないのです。自分がもっているピアノ技術以外のあらゆる能力を駆使して、自分を売り込む、セルフプロデュースをかけていく覚悟が必要です。
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